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FAQ


  (1)-1 ジオテキスタイルとは?
  (1)-2 ジオテキスタイルにはどのような種類がありますか?
  (1)-3 (ジオテキスタイルによる)補強盛土とはどういう意味ですか?
  (1)-4 (ジオテキスタイルによる)盛土補強工法の利点は?
  (1)-5 (ジオテキスタイルによる)盛土補強工法の特徴は?
  (1)-6 ジオグリッドの構成形態は?
  (1)-7 ジオテキスタイルに関する主な用語は?
  (1)-8 ジオテキスタイルの用途は?

 (1)-1 ジオテキスタイルとは?

 ジオテキスタイルとは英語の「大地」または「土地」に関する技術を意味するGeotechnicsと織物のTextileを組み合わせて作られた造語であり、我が国では「土木(用途の)安定繊維材」という呼称がありますが、ここ数年の間にジオテキスタイルという用語が一般的に用いられるようになっています。

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 (1)-2 ジオテキスタイルにはどのような種類がありますか?

 土木などの用途に使用される高分子材料の繊維製品やプラスチック製品は、総称してジオシンンセティックスと呼ばれ、その機能や特性を活かして土木分野では多方面に使用されています。
 JIS L0221 「ジオシンセティック用語」解説の分類ではジオシンセティックスは下図に示すようにジオテキスタイル(広義)、ジオメンブレン、ジオコンポジットの3つに大きく分類されています。

このうち広義のジオテキスタイルは同図に示されるように狭義のジオテキスタイルとジオグリッド、ジオネットおよび関連製品を含めた総称であり、狭義のジオテキスタイルは、織布(ジオウォーブン)、不織布(ジオノンウォーブン)、編物(ジオニット)の総称で透水性のあるシート状の高分子製品の事を言います。ジオメンブレンは透水性の極めて小さい、または不透水性の膜状構造の製品で、「遮水シート」や「防止シート」として多く用います。またジオコンポジットは複合製品のことです。
 盛土補強の分野では引張り特性、クリープ特性ほかに優れていることが不可欠であることから、主にジオグリッドを標準的な材料として取り扱っています。

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 (1)-3 (ジオテキスタイルによる)補強盛土とはどういう意味ですか?

 計画される盛土形状に対して盛土材料(土質)の強度不足を補うために引張り補強効果や排水補強効果を有するジオテキスタイルを敷設して、土との相互作用で盛土構造体にせん断強さや引っ張り強さの付与による安定性の高い複合的な構造物を築造することをいいます。

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 (1)-4 (ジオテキスタイルによる)盛土補強工法の利点は?
  1. 急勾配にも対応可能な盛土補強工法は盛土構造物の安定とのり面の緑化および保護を一体化した盛土計画に適用できます。

  2. 建設発生残土や不良土でも盛土が構築でき、植生機能のりようにより自然官許の保護も図ることが可能です。

  3. ジオテキスタイルなど盛土補強材を適用する事で急勾配でありながら高盛土に施工することが可能であることから土地を有効利用できるという利点も生まれます。

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 (1)-5 (ジオテキスタイルによる)盛土補強工法の特徴は?
  1. 現場施工が簡単で工期も短縮できます。
    ・・・大型の重機や熟練工が不要です。
    ・・・のり枠や盛土補強材は軽量であるため作業が簡単です。

  2. 長期にわたる耐久性に優れます。
    ・・・耐久性に優れるため土中での補強効果を持続します。

  3. 盛土のり面の緑化が可能です。
    ・・・のり面の仕上がりが美しく、植生により景観を損なうことなく自然環境に適応します。

  4. 広範囲の物性の土でも施工が可能です。
    ・・・建設発生残土や不良土でも盛土構築を可能にします。
    ・・・コンクリート構造物など特別な基礎は不要です。

  5. のり面の勾配は選択が可能です。
    ・・・のり面勾配は土地利用に併せて選択が可能です。

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 (1)-6 ジオグリッドの構成形態は?

 強度の高いポリエステル糸を格子状に組み合わせ、更に特殊合成樹脂をコーティングした土木用ネット型シートです。その引張り強度特性やクリープ特性、土との摩擦係数、長期耐久性、施工性ほかジオグリッドの性能・特徴は(財)土木研究センター発行の「技術審査証明報告書」に証明されます。


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 (1)-7 ジオテキスタイルに関する主な用語は?

 主な用語につき付表1に解説しました。
*(財)土木研究センター「ジオテキスタイルを用いた軟弱路床上舗装の設計・施工マニュアル」より

日本工業規格、JIS L 0221:ジオシンセティック用語、1994より本用途に関連する用語を抜粋し付表に示す。

付表 ジオテキスタイルに関する主な用語
用  語 定  義 対応英語(参考)
厚さ
規定圧力のもとで一定時間放置して測定するジオシセンティックの厚さ。 thickness
貫入抵抗 ジオシンセティック試験片の面に垂直に作用する比較的小面積の集中荷重によって生じる破壊に対する抵抗性。 penetration resistance、
puncture resistance
貫入抵抗試験 ジオシンセティックの貫入抵抗を測定する試験。 penetration test、
puncture test
サバイバビリティー 敷設及び施工時に受けるジオシンセティックの損傷に対する抵抗性。 survivability
CBR貫入抵抗試験 CBR試験用モールドにジオシンセティク試験片を緊張させて取り付け、貫入棒を押し込み、貫入抵抗を測定する試験。 CBR plunger test
ジオウォーブン たて糸とよこ糸を用いて織った織物で、土木などの用途に使用される製品。単に織物又は織布とも呼ぶ。 geowoven、
woven geotextile
ジオグリッド 引張抵抗性のある構成要素が連結した規則的な格子構造からなるシート状のもので、土木などの用途に使用される。主に高分子材料からなる製品。 geogrid
ジオコンポジット 狭義のジオテキスタイル、ジオグリッド、ジオネット、ジオメンブレンなどを任意に組み合わせて一体とした製品。 geocomposite
ジオシンセティク 広義のジオテキスタイル、ジオメンブレン及びジオコンポジットの総称。 geosynthetic
ジオテキスタイル

土木などの用途に使用される織物、不織布及び織物で、透水性のあるシート状の高分子料の製品。

広義では、狭義のジオテキスタイル、ジオグリッド、ジオネット及びジオテキスタイル関連製品を含めた総称。

geotextile
ジオテキスタイル
関連製品
狭義のジオテキスタイル、ジオグリッド及びジオネット以外で透水性のあるシート状又は帯状の高分子材料からなる土木用途に使用される製品。 geotextile-related
puroduct
ジオニット 連続した糸、繊維などによって編目で構成した織物で、土木などの用途に使用される製品。単に織物とも呼ぶ。 geoknitted、
knitted geotexitile
ジオネット げき間が構成要素の占める割合より大きい編目構造をもつシート状のもので、土木などの用途に使用される高分子材料の製品。 geonet
ジオノンウォーブン 規則的又は不規則に配列した繊維を製織せずに機械的、化学的又は熱的方法によって結合した不織布で、土木などの用途に使用される製品。単に不織布とも呼ぶ。 geononwoven、
nonwoven geotextile
ジオメンブレン 透水性の極めて小さい又は不透水性の膜状構造で、土木などの用途に使用される製品。 geomembrane
耐久性 経時変化による材料の劣化に対する抵抗性。 durability
強さ保持率 ジオシンセティックの耐久性試験において、試験後に得られた強さとその試験前の強さの比を百分率で表した値。
透水性 ジオテキスタイルの面に垂直な方向に水を通過させる性質。 permeability
伸び ジオシンセティックを引き伸ばしたときの長さと元の長さとの差。 elongation
伸び率 ジオシンセティックを引き伸ばしたときの長さと元の長さとの差の、元の長さに対する百分率。 percent elongation
排水 透水性のジオテキスタイルの面内を通して排水すること。 drainage
引張試験 ジオシンセティックの引張抵抗力及び伸び特性を測定する試験。 tensile test
引張強さ ジオシンセティックの単位幅当たりの引張抵抗力の最大値。 tensile strength
分離 相接する土や盛土材料同士の混合を防止すること。 separation
補強 ジオシンセティックの特性を利用し土の力学的特性を向上させること。 reinforcement
保護 土構造物などに対する局所的損傷をジオシンセティックによって抑制又は防止すること。 protection
劣化 物理的、化学的及び生物学的作用によって材料や製品の性能が低下すること。 degradation

 

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 (1)-8 ジオテキスタイルの用途は?

 ジオテキスタイルは、多種・多様の製品があり、それら製品の機能と特性に応じ、多くの土木用途に利用されています。 付表2にジオテキスタイルの主な用途の一覧を示す。
*(財)土木研究センター「ジオテキスタイルを用いた軟弱路床上舗装の設計・施工マニュアル」より

付表−2 ジオテキスタイルの主な用語
用途 目的
不織布
(ジオノンウォーブン)
織布
ジオグリット
ジオネット
ジオコンポジット注)
(複合製品)
盛土 盛土本体の補強 (○)  
盛土内排水      
圧密促進      
盛土のり面の浸食防止
盛土のり面の補強
(転圧補助)
 
耐震性向上  
擁壁 補強    
土圧低減    
排水      
耐震性向上    
軟弱地盤処理 土砂の層間分離  
トラファイカビリティの確保  
基礎地盤の補強  
その他 切土・盛土境界面排水      
排水ブランケット      
暗渠排水      
側溝、開渠、暗渠の外周被覆材      
護岸・堤防の吸出し防止    

注)複合製品には排水・遮水主体のものに大きく区分できるが、本表では排水主体のもののみを取り扱う。また、この中でも他の3種類(補強・分離・ろ過)を持った製品もあり、この表に示す目的以外にも適用できる。その場合は十分に製品の機能・特性を把握することが重要となる。
備考 ジオテキスタイルの5つの機能
 分離(SEPARATION) 濾過(FILTRATION)
 排水(DRAINAGE) 補強(REINFORCEMENT)
 保護(PROTECTION)

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