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(1)-1 EPルートパイル工法・スーパーダグシム工法とは? |
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(1)-1 EPルートパイル工法・スーパーダグシム工法とは? |
EPルートパイル工法・スーパーダグシム工法は地山補強土工法に分類され、さらに下図に見られるように「目的対象、補強材の機能および細長比(L/D)」によりEPルートパイル工法・スーパーダグシム工法は、マイクロパイリングおよびネイリングに属する。
出典;社団法人 地盤工学会「地山補強土工法に関するシンポジウム 発表論文集」平成8年3月に加筆修正
(1)-2 EPルートパイル工法・スーパーダグシム工法とアンカーの違いは? |
EPルートパイル工法・スーパーダグシム工法が、アンカーと大きく異なる点は、自由長を設けずプレストレスを加えない事です。これは、EPルートパイル工法・スーパーダグシム工法が、補強土工法に分類され、補強材が地山の変形に追随して発揮する補強効果を期待している構造だからです。また、補強土工法全体に言えることですが、補強材に働く張力がすべり線との交差位置で最大を示し、地表面に近づくにつれて減少するため、アンカー工と比較して軽微なのり面工で安定します。
a)E Pルートパイル工法 スーパーダグシム工法 |
b)アンカー | |
全定着により法面応力減少 (明確な定着層必要無し) |
部分定着により法面応力大 (定着層が絶対に必要) |
EPルートパイル工法・スーパーダグシム工法とアンカー工法の比較対比表
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(1)-3 EPルートパイル工法とスーパーダグシム工法の選定方法は? |
・切土のり面補強(引張補強)
EPルートパイル工法とスーパーダグシム工法は、引張補強として適用出来、斜面の崩壊形態・規模や経済性等を総合的に考慮して選定を行います。一般的に必要抑止力(Pr=300 kN/m程度)を目安として、大きいときはEPルートパイル工法、小さいときはスーパーダグシム工法を選定しています。スーパーダグシム工法は最大長さが15mと制限があるため、滑り土塊の規模が大きくなると対応が困難となります。
・構造物・支持力補強(圧縮補強)
EPルートパイル工法は、鉛直方向に打設することで適用が可能となります。スーパーダグシム工法は適用できません。
出典;社団法人 地盤工学会「地山補強土工法に関するシンポジウム 発表論文集」平成8年3月に加筆修正
(1)-4 適用法面の規模は?(工法選定時の崩壊規模について) |
表層崩壊→ | 必要抑止力が小さく経験的設計法が適用できる。または、すべり厚さが2m以下の表層剥離型崩壊など。 最適工法 : 鉄筋挿入工(φ40〜65)、スーパーダグシム工法 |
小規模崩壊→ | 必要抑止力が200KN/m以下のすべり土塊 最適工法:鉄筋挿入工(φ90)、スーパーダグシム工法 |
中規模崩壊→ | 必要抑止力が200〜400KN/m以下のすべり土塊 最適工法:EPルートパイル工法、スーパーダグシム工法 |
大規模崩壊→ | 必要抑止力が400KN/m以上のすべり土塊 最適工法:アンカー工、EPルートパイル工法、スーパーダグシム工法 |
(1)-5 適用地盤は? |
・スーパーダグシム工法
粘性土、砂質土、礫質土、軟岩が最適である。玉石・転石混じりなどの空隙が多い地盤では、グラウト材の充填が難しく、適応性は低い。
・ EPルートパイル工法
粘性土、砂質土、礫質土、玉石・転石、軟岩、硬岩あらゆる地盤に適応可能である。
(1)-6 最大補強材長は? |
・スーパーダグシム工法
スーパーダグシム工法は、最大15.0m削孔可能である。
・EPルートパイル
構造上の長さの制約は無く、施工実績的に判断すると20m程度が最大削孔長となる。
(1)-7 表面工について |
1.吹付工
逆巻き段階掘削時の仮抑え(短期)として使用する場合、5cm〜10cm程度の吹付厚さを用いる。永久のり面では7cm〜15cm程度の吹付け厚が用いられ、勾配・土質・吹付厚さなどによりモルタル吹付工、コンクリート吹付工を使い分ける。
2.張工、吹付法枠工
コンクリート張工の厚みは20〜80cmが一般的でる。当工法の実績としては30cm〜50cmが多く用いられる。吹付法枠工の標準寸法は、断面:F200〜F600、スパン:1150〜3000が一般的である。当工法の実績としてはF300−1500×1500が多く用いられる。
3.プレキャストパネル
逆巻き段階掘削施工に使用するコンクリート又はFPP2次製品の表面工である。特徴は、段階施工のサイクルが切土→表面工→補強材築造工となり切土以降の作業が一連で行え、工期短縮が可能である。また、地質がルーズで施工時の安全性確保が困難な場合、プレキャストパネルを使用することで吹付工等の仮設工を併用する必要がない。
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